2016/05/21 20:57

究極のリーダーシップ
「専門性の逆転」

非常に貴重なショートムービーがあります。

その、内容をラグビーように解釈してみました。


米軍の司令官が困難な状況下に置かれた体験談が語られております。そこには、ラグビーのコーチングやリーダーシップに関して非常に有用な情報が含まれています。

軍でも、世代間格差があり、司令官と兵士との間では、まったく異なったスキルを持っており、非常に問題となっていることが紹介されています。昔習った戦略が、時代遅れとなり、最近の若者文化のスキルが現場においても必要なスキルとなっている。「専門性の逆転」現象が起こり、そんな中で、リーダーに対する信頼性、正当性を保つことができ、意志決定がうまくいくかが焦点になっているようです。

現代ラグビーにも同じような問題があります。昔はなかった戦術が生まれ、その戦術に適したスキルが開発され、コーチが昔行ったラグビーとは、一種別次元のラグビーを行っているプレイヤー自身の方が、専門性が高いかもしれません。そんな中、コーチに対する信頼を得て、コーチングの正当性を確保するのか、実は切実な問題かもしれません。

ショートムービーでは、ひとつの解決策を提示しています。それはリーダー自身が「心を開き、今まで以上に耳を傾け、部下から学ぶ」とありました。何千キロと離れた兵士から、指揮官に対する信頼を得て、作戦を考え、実行に移す。そこには、究極の信頼関係がなければ、失敗に終わることが述べられています。それは、軍隊の場合、死を意味します。

ラグビーの場合は、インカムという通信機器が導入され、さらに、ゲーム分析をタイムラインで行い、意志決定を伝えるシーンを見ることもあります。そのようなことが行われるのは、スペシャルパワーが必要であり、密な人間関係を構築しておくことが必要不可欠です。

レンジャー部隊では、毎朝唱えるそうです。その一説に「私は、絶対に倒れた仲間を見捨てません。敵の手中に落ちることを許しません。」と仲間に対して誓いを立てるようです。そして部下を勇気づけ、信頼関係を構築します。

現代ラグビーを実体験しているプレイヤーから、発せられる情報、肌感覚を無視し、一方通行のコーチングをしていては、プレイヤーからの信頼を得ることもできず、チームは機能しないかもしれません。

「優れたリーダーが優れているのは、正しいからではなく、進んで学ぶ、信頼することによってなのだ」とあります。チームがスペシャルパワーを発揮するためには、プレイヤーから、学び、信頼を得ることが重要です。このことが、究極のリーダーシップ、コーチングかもしれません。

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